初めてそのジュエリーたちを手にしたとき、思わず声に出してしまいました。
「なんてかわいいんだろう」
エメラルドの瞳を持つ、小さなゴールドのふくろう。「このままで充分かわいいですよ」と、正直そう思いました。でもお客様は言いました。「気に入っているんですが、なんとなく着けたい気持ちになれなくて。チェーンのデザインも、ずっと気になっていたんです」と。
お持ち込みいただいたのは3本のネックレス。ふくろうのネックレス、プラチナ枠の0.3ctのダイヤモンドネックレス、そしてゴールド枠の1ctのダイヤモンドネックレス。この3本を、2本に再編するご相談でした。

ふくろうは絶対に主役のまま。これは変えない。
気に入っているけれど、なんとなく今の自分には可愛すぎるかな——そんなお気持ちもありました。そこでロングネックレスにしたらどうでしょうとご提案しました。ユニークなモチーフは、長さを変えるだけで驚くほど使いやすくなります。体の中央より下に位置することで「このジュエリーをあえて楽しんでいる」という余裕の雰囲気が生まれる。70センチのロングに、チェーンはさりげなく輝くカット小豆チェーンへ。
そしてプラチナ枠のネックレスから外した0.3ctのダイヤモンドを、ふくろうのチェーンの途中にベゼルセッティング(覆輪留め)でさりげなく飾りました。正面はふくろうが主役。でもチェーンをたどると、ちらりとダイヤモンドが光る。あのダイヤモンドが、新しい場所で旅を続けているような感覚です。

もう一つのゴールド枠に留まった1ctのダイヤモンドは、石だけで十分な存在感なのでシンプルな6本爪留めに。でも爪はさりげない小ささで。チェーンはスクエアリンクの角型チェーンを合わせ、40センチに。ふくろうと1ctネックレスの2本を重ねてつけるレイヤードも、ぜひ楽しんでいただきたいご提案でした。
そして完成した2本を、改めてご覧ください。
傷がついていた表面は、丁寧に磨き上げることで本来のゴールドの輝きを取り戻し、エメラルドの瞳はいっそう鮮やかに。
ほら、ふくろうが笑っているように見えませんか。

チェーンをたどればダイヤモンドがちらりと光る。

そして40センチで仕立てた1ctダイヤモンドは、小さな6本爪の中でのびのびと輝いている。

眠っていた3本のジュエリーが、2本の新しい物語として蘇った瞬間でした。
お渡しのとき、お客様はとても喜んでくださいました。「それぞれの良さを生かしたネックレスになって、とてもうれしいです」と。
元の良さを活かして、最小限の変化で最大限の喜びを。デザインを一新するリフォームも、今回のようなリフォームも、私の熱量は変わりません。ジュエリーに宿った記憶を大切に、今の暮らしにそっと馴染ませていく。それが私の、リフォームへの向き合い方です。
この数ヶ月後、同じお客様からまた新たなリフォームをお預かりすることになりました。またゆっくりご紹介していきますね。
いつも大切なジュエリーをお預けいただき、ありがとうございます。
ふくろうとダイヤモンドネックレスのリフォーム
アイテム:ネックレス
素材:K18イエローゴールド
宝石:ダイヤモンド、エメラルド、ダイヤモンド0.305ct
ダイヤモンドネックレスのリフォーム
アイテム:ネックレス
素材:K18イエローゴールド
宝石:ダイヤモンド1.035ct
制作期間:約1ヶ月
デザイン:大森香菜江
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